石田徹也の作品は何度もこれまでに見てるんで、またあえて行かなくてもいいかな、
などと思ってたんですけど、ここのところ精神状態が落ち込んでるんで、
(まあ、僕の場合、たいてい落ち込んでますが)
落ち込んでるときに、さらに落ち込むような作品を見るのもいいかな、
などとつらつら考え、出かけました。
美術館までチャリンコで行ったんですけど、途中、
「厚労省次官OBへの連続テロ事件」現場の辺りを通るんで、
職質とか受けたらヤだな、と危惧してたんですけど、そんなこともなく、無事到着。
何年か前に、初めて石田徹也の作品を見たときに印象深かったことが2つあって、
ひとつは、作品がデカイということ。
予想してたよりも4倍くらいデカかったんです。
これがもし小さな作品だったら、自らの心の傷を、絵画制作で癒して、
という分かりやすい話になるんですけど、あのデカさとなると、「絵を描いたるでっ、うおー」
というパワーも大きかったんだろうな、ということで、これは純粋に絵を描くことが好きで、
制作意欲が大きかったのかな、などと思う反面、
もうひとつ印象深かったことは、薄い塗りを重ねてるなー、ということなんです。
僕は絵を描かないんで実際のところ、よく分かりませんけど、
これはアクリル絵具だからこういうものなんですかね。
でも、古びた機関車とか飛行機とか重い鉄のテクスチャーなんかは、
こってりと塗るのが気持ちイイんじゃないかな、と思ったりするんですよ。
もしかしたら、そういう快楽方向に行かなかったことが、彼の死を早めたのかな。
などと考えてみたりするんです。
ちなみに、今回の展示は、ほぼ年代順になってたんですけど、最後のほうは小さめの作品が増え、
それから塗りの重ねが減ってるような気がするんです。
そのかわり、一回の塗りに少し厚みがでてきているようなんですけど、
だからといって、こってりと塗るのが気持ちイイぜ、という印象は受けません。
そして、展示が終わります。
大きなキャンバスに薄く重ねるのに疲れてしまったのかもしれません。
まあ、全てが僕の勝手な思い込みです。
以前、僕は、彼が亡くなった町に住んでいまして、今回の展示を観たら、あの郊外の、
建売り住宅ばかりで何も無くて、殺伐としている感じを思い出して、
精神状態が相当悪くなるんじゃないかと予想してたんですけど、そんなことは全然なくて、
むしろ喜びのようなものを感じました。
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